問診・身体診察
問診を行ない、現時点における生活習慣を確認しつつ、気になる症状の有無を伺います。また、身体診察で全身の状態をチェックします。
その上で、必要に応じ血液検査・尿検査・レントゲン・心電図等の検査を手配し、生活習慣病の原因として他の病気が隠れていないかどうかを調べます。
生活習慣病は、主に不健康な生活習慣に起因する慢性疾患の総称です。 具体的な病名としては、高血圧、脂質異常症、糖尿病、高尿酸血症(痛風)などが挙げられます。
また、生活習慣病は動脈硬化に深く関与していて、動脈硬化が心臓・大動脈・脳血管に生じると心臓病や脳卒中に至ります。したがって、日本人の死因の上位を占める心臓病や脳卒中も生活習慣病に含まれます。
生活習慣病の初期は自覚症状が少ないため、定期的な健康診断で生活習慣病を早期に発見することがとても大切になります。
その上で、早期に治療を始めて心臓病や脳卒中と言った重大な病気を予防すること、それが何よりも重要です。
問診を行ない、現時点における生活習慣を確認しつつ、気になる症状の有無を伺います。また、身体診察で全身の状態をチェックします。
その上で、必要に応じ血液検査・尿検査・レントゲン・心電図等の検査を手配し、生活習慣病の原因として他の病気が隠れていないかどうかを調べます。
高血圧においては、診察室でのみ血圧が上昇する白衣高血圧という病態が知られています。そのため、適切な血圧測定法を説明した上で、まずご自宅での血圧を調べてきて頂きます。
併行して、可能であれば体重等も測って頂くようお伝えしています。
自宅の血圧等を確認しつつ、必要に応じ血液検査等の結果説明を行います。それらのデータを元に、まずは患者さんのお身体の問題点を洗い出して整理します。続いて、病気について分かりやすく説明し、患者さん自身に御自身の身体の状態を把握して貰えるよう努めます。
その上で、生活習慣について指導を行いつつ、患者さん一人ひとりの状態に合わせた治療方針を提案します。
そして、患者さんと相談しながら、具体的な治療法を決めていきます。
生活習慣を見直して生活習慣病がどのように変化したか、自宅血圧の数値や採血検査等を調べます。
また、治療を開始した場合には、薬の効き目を評価します。
高血圧は、動脈の内圧が上がっている状態を指します。一般的には、家庭血圧:135/85以上が一つの基準とされています。
例えばの話、水道管の水圧の上昇が続くと管の内部に損傷が生じ、亀裂が走ったり水が漏れ出したりします。同じように、高血圧は心臓や全身の血管に負担をかけ、心筋梗塞や脳卒中などのリスクを高めます。
高血圧はさまざまな要因により起こりえますが、主な原因としては加齢性の変化、脂質異常症・糖尿病等に伴う動脈硬化、更に塩分の過剰摂取や肥満といった生活習慣の影響などが挙げられます。
そのため生活習慣に関しては、塩分の摂取量を減らしつつ、定期的な運動による減量を心掛けることが大切です。その上で、必要に応じ降圧剤による治療も行います。
糖尿病は、体が血糖を適切に処理できなくなった結果、高血糖が持続する病気です。この病気は、インスリンという血糖を下げるホルモンが不足したり、その効き目が落ちてくることによって起こります。
診断は血糖値やHbA1C(持続的な高血糖の指標)の測定により行われます。治療としては、食生活の改善、運動、薬物療法などがありますが、場合によってはインスリン注射も行われます。
高血糖が持続すると、血管の内側が汚れて傷みやすくなり、動脈硬化が進んでいきます。
目の血管が傷んでくると視力が、腎臓を流れる血管が傷んでくると腎臓の機能が、それぞれ低下していきます。また、手足の神経に栄養を送る血管が傷んでくると感覚の異常(手先・足先のしびれ等)も起こり始めます。
糖尿病に伴う症状は一旦起こると完全には元に戻りません。実際、糖尿病による腎機能低下(糖尿病性腎症)は、人工透析の原因のトップになっています。 そのため、早期診断・早期治療が非常に大切です。
脂質異常症は、血中の脂質(LDLと中性脂肪)が正常範囲を超えて高くなっている状態を指します。原因は、遺伝的要因や食生活の乱れ、運動不足、肥満など多岐にわたります。
脂質が過剰になると、血管に脂質がへばりついて動脈硬化が生じ、結果として心臓病や脳卒中のリスクが高まります。そのため、動脈硬化がひどくなる前に治療を始めることがとても重要です。
治療としては、コレステロールを下げる薬の内服が一般的です。
ちなみに、脂質異常症に関しては治療薬が大幅に進歩していて、昔に比べてかなりコントロールしやすくなりました。そのため、健康診断で脂質異常症を指摘された患者さんに対しては、積極的な治療をお勧めしています。
高尿酸血症は血液中の尿酸値が正常範囲を超えて高くなっている状態です。
尿酸は体内の老廃物の一つで、通常は腎臓で濾過されて尿として排出されます。しかし、尿酸が大量に産生されたり、排出されにくくなったりすると血液中の尿酸値が上昇してきます。
原因としては、尿酸が増えやすくなるような食生活、アルコールの摂取、遺伝的要因、特定の薬剤の影響などが挙げられます。
尿酸値が高い状態が続くと、痛風と呼ばれる関節炎(風が吹いても痛いということで「痛風」と呼ばれています)を起こす可能性があります。また、腎臓に負担が掛かるとも言われています。そのため、痛風発作や腎機能障害が生じているケースでは、積極的な薬物治療をお勧めしています。
「肥満」とは体重が基準値を超えて多くなっている状態を指しますが、必ずしも病気を意味する訳ではありません。しかし、「肥満」が生活習慣病(高血圧・脂質異常症・糖尿病・高尿酸血症)や睡眠時無呼吸症候群などの健康上のリスクを伴うようになると、「肥満症」と診断されます。その場合、体重を減らすための治療が必要となってきます。
治療としては、食生活の改善や運動の習慣付けのような生活習慣の指導が主体になります。しかしながら、高度の肥満に関しては外科的治療の対象となるケースもあります。そうした場合には、専門の先生に紹介することで対応しています。
一方で「メタボリックシンドローム」、別名「内臓脂肪症候群」は、体重と直接的な関係はないため、肥満とは似て非なる問題になってきます。まず、内臓脂肪の蓄積が前提条件になります。その上で、高血圧、高血糖、脂質異常症を合併してくると「メタボリックシンドローム」と診断される可能性が出てきます。言い換えるなら、体重が正常範囲内であっても、筋肉の代わりに内臓脂肪が増えてきたら、「メタボリックシンドローム」になりえるということです。
こうした状態では、動脈硬化が非常に起こりやすくなります。そのため、食生活の改善や適度な運動といった内臓脂肪を減らすための対策が必要になってきます。