採血結果の見かた(生活習慣病に関して)
今回のお話は、生活習慣病で治療中の患者さんを対象とした、採血結果の見かたについてです。分かりやすくするために項目を絞りつつ、大まかな目標値や基準値をお伝えできればと思っています。
それで、生活習慣病に関連した採血データの代表例としては、次の①~⑤が挙げられます。
①LDL ②中性脂肪 ③HbA1c ④尿酸 ⑤eGFR
そして、これらの項目が対応する病気と、その意味合いは以下のようになります。
[脂質異常症・高コレステロール血症]
①LDL 正常値:140未満
いわゆる悪玉コレステロールです。この数値が高いと、動脈硬化が進みやすくなります。
治療する場合の目標値は、(お身体の状態によっても変わってはきますが)100未満程度が一つの基準になってくると思います。
②中性脂肪(TG) 正常値:175未満(随時)
メタボリックシンドロームの診断基準の一つであり、内臓脂肪が多くなってくると数値が上がってきます。
中性脂肪が高い場合も動脈硬化性疾患(脳梗塞・心筋梗塞など)を合併しやすくなります。
[糖尿病]
③HbA1c 治療目標:7.0未満
糖尿病の評価項目であり、過去1~2ヶ月の平均血糖値を反映します。
HbA1cが7.0を超えると、糖尿病の合併症(目・腎臓・神経等の機能異常)や動脈硬化が生じやすくなります。
[高尿酸血症・痛風]
④尿酸 正常値:7.0以下
この数値が高いと痛風になりやすくなります。
痛風発作を起こしたことがある場合、尿酸値を6.0以下にすることが治療目標になります。
因みに、高尿酸血症は肥満と関連すると報告されています。そのため、尿酸値が高い場合には減量を心掛けて頂くことも重要です。
[腎機能]
⑤eGFR 正常値:60以上
eGFRは腎機能の指標で、60未満のeGFR値が続くと慢性腎臓病と診断されます。
更に、eGFRが30を切るようになると、透析等も将来的な視野に入りうるため腎臓の専門の先生に診て頂く必要性も出てきます。
慢性腎臓病は、生活習慣病などが影響している場合と、腎臓自体に病気が隠れている場合があり、原因によって治療方針が大きく分かれてきます。そのため、eGFRが60未満になった方は医療機関を受診し、まずは原因をキチンと調べる事が大切です。
説明は以上になりますが、いかがだったでしょうか。ただし、最初に申し上げた通り、分かりやすくするために細かな部分は省いてあります。なので、もし何か疑問点等ありましたら、クリニックまでお越し頂けると幸いです。
それでは、もし宜しかったら参考にしてみて下さい。