帯状疱疹ワクチンの考え方について
今回は、今年度から予防接種の対象になった帯状疱疹ワクチンについて述べてみたいと思います。
[帯状疱疹ワクチンの種類]
帯状疱疹のワクチンには2種類あります。
生ワクチン(水痘・水ぼうそうワクチン)と組換えワクチン(シングリックス)の2つです。
[選び方のポイント]
結論から言えば、以下の通りです。
・費用を優先する場合→生ワクチン
・効果を優先する場合→組換えワクチン
・免疫力が低下している方(※)→組換えワクチン
(※)リウマチ等でステロイドや免疫抑制剤を服用されている方、がんの治療を行っている方など。
[費用について]
率直に言って、負担金は大きく異なります。
1回でOKの生ワクチンだと5000円。2回の接種が必要となる組換えワクチンだと36400円。
「費用的な観点を優先する場合→生ワクチン」と述べたのは、負担金の違いが大きいからです。
[効果について]
では、そんなに高いのに何故組換えワクチンが存在するかというと、効果に違いがあるからです。
生ワクチンに比べ、組換えワクチンの方が発症予防率・合併症予防率が高いとされています。
わかりやすい数値を取り上げると、下記の表のようになりますので、興味がありましたらご参照ください。
生ワクチン (水痘・水ぼうそうワクチン) | 組換えワクチン (シングリックス) | |
帯状疱疹予防効果 | 約30% | 約70% |
帯状疱疹後神経痛の予防率 | 約70% | 100% |
[免疫力への影響]
また、免疫力が低下している方は生ワクチンは接種できないので、必然的に組換えワクチン一択になります。
生ワクチンの場合、毒性を下げてあるとはいえウイルスをそのまま接種する形になります。なので、免疫力が弱っている方だと、ウイルスの感染力に免疫力が負けてしまい、結果として本当に帯状疱疹になってしまうのです。
それに対し、組換えワクチンの場合は、ウイルスの部品を体内に取り入れるようなイメージです。そのため、接種しても感染が起こることはありません。そのため、免疫力が低下している方であっても、組換えワクチンについては問題なく接種が可能です。
[ワクチンの副反応]
ワクチン接種後に生じる症状については、(大雑把ではありますが)下記のようにイメージして頂ければ良いかと思います。
・生ワクチン→通常の予防接種に近い印象
・組換えワクチン→新型コロナワクチンに近い印象
まとめは以上になります。もし宜しければ、予防接種を選ぶ上での参考にして頂けると幸いです。
(ちなみに、そもそも帯状疱疹がどんな病気かということについては、
「帯状疱疹予防.jp」というサイトに分かりやすく纏められています。
興味がある方は下記リンク先の「症状」「合併症」をクリックしてみて下さい。
帯状疱疹予防.jp:https://taijouhoushin-yobou.jp/))